将来SAPフリーランスとして独立したい・・・だけど自分のプロジェクト経験が不安!という方にぜひ読んでいただきたい記事です。プロジェクト経験をフェーズ区切りで考え、どれを経験しているかを自分の中で整理しましょう。サマリ経験が浅い場合は移行、開発、テスト、運用保守のフェーズを経験しましょう。ある程度経験がある場合は、要件定義、構想策定、ユーザートレーニングのフェーズを経験しましょう。重要なのは、各フェーズの目的をきちんと理解することです。どの順番でどのフェーズを経験しても基本的にはOK!一通り経験すれば独立可能な状態になります。SAPプロジェクトの各フェーズ解説各フェーズの解説を簡単に行います。・構想策定 構想策定フェーズとは、SAP導入プロジェクトにおける最初のフェーズです。別の言葉で言い換えると、プロジェクトの準備・計画を行うフェーズです。クライアントの現状を理解し、目標やスコープを定め、目的を実現するためのツール選びを行います。また、SAPを導入して切り替える際にどのように業務をスムーズに移行させるかを議論します。実はSAP導入プロジェクトを成功させるにはこの最初の構想策定が重要であり、これがきちんと行われないがためにプロジェクトが頓挫してしまうというケースが多いです。・要件定義 ブループリントフェーズと呼ばれる場合もあります。To-Be業務のアウトラインを細かく決めていきくフェーズです。当然ながら、業務プロセスの現状 (As-Is) と将来 (To-Be) の間にギャップが生じることは多々あります。これらに対してどう対応するかを細かく定義してドキュメントに落とし込んでいく過程が要件定義となります。・設計要件定義でGAPを分析し、対応策を考慮した後、システムの基盤を構築し、SAP側のコンフィグレーションやアドオンの設計(あれば)を行います。また、周辺システムをアドオンなどでSAPと連携させるように調整する作業をこのフェーズで行います。中心的な作業としては、アドオンプログラムの設計書作成です。システム知識が深まるフェーズです。・開発 要件定義で選定されたアドオンを開発するフェーズです。設計書の細かいスペックを作り込んでいきます。開発自体はオフショアに依頼するプロジェクトも多いでしょう。・テストテストといっても、単体テスト、結合テスト、統合テストなど色々あります。コンサルタントが中心に行うのは結合テストから統合テストでしょう。プロセスフロー上通りに動かして問題ないか確認するのが結合テストですが、初心者の方は機能の確認と共に業務プロセスを理解するにはいいでしょう。ビジネスパターンを網羅するようにOrder to Cash, Procure to Pay の流れを頭から最後まで流すのが統合テストになります。1,2年SAPをすでに経験している人にとって、他の領域のシナリオを確認したり、イシューが生じた際に別チームと連携しながら学ぶ良い機会になるでしょう。筆者はテストを通して他のモジュールを学んだ経験があります(e.g. COの原価積上)・ユーザートレーニングユーザートレーニングは、「キーユーザートレーニング」と「エンドユーザートレーニング」があります。より重要なのはやはり「キーユーザートレーニング」でしょう。ユーザートレーニングを通して、新しく導入するSAPを使用した業務をクライアントに理解してもらいます。ユーザーが理解を深めて実際システムを触ってみて初めて発覚するGAPやイシューが時に生じてしまう場合があります。そのため、ユーザートレーニングの際には経験豊富なコンサルタントがいることが好ましいです。・移行レガシーシステムからSAPに移行する際に、既存のデータを移行するフェーズです。移行自体はシステムを切り替える直前と切り替え最中に行う短い期間の作業ですが、どのデータを移行するか、どうやって移行するか等を決めるために十分な準備期間が必要です。移行を通してデータの在り方やタイミングの整合性を学べます。・運用保守プロジェクトが無事稼働し、安定して業務が回るようになった後、課題が発生した際に障害対応をするのが運用保守です。また、マスタデータメンテナンスにも携わります。業務ユーザーがどのようにマスタデータを申請するのか理解できるようになります。どの順番が理想的か?経験が浅くてもこなしやすいフェーズ将来独立を考えているが、SAP経験がまだ数ヶ月〜1年程度であるという方にとっては下記のフェーズがこなしやすいです。もし未経験のフェーズがあったらそちらから攻略してみても良いかもしれません。運用保守おそらく多くの人は、新人時代にまず運用保守を任されていると思います。プロジェクトが安定した後、課題対応をしていくフェーズなので、初心者でもとっつきやすいです。開発アドオン設計書の細かいスペックを作りこむフェーズなので、プログラムが苦手な人にとっては、コツを掴めるようになるまで難しいと感じるかもしれません。また、プログラム設計が苦手な方は設計段階で色々と見落として後続で発覚する・・・ということも。テストテストフェーズは多少であれば何回失敗してもできるようになるまでやり直しできるので、初心者も安心して取り組めます。また、トランザクションデータの流れや機能の理解にもつながります。移行作業だけであれば初心者でもこなせますが、移行の仕方や粒度を決めるには業務やデータの理解が必要なため、案外難しかったりします。これから知識をつけていきたい方にとって有意義なフェーズになります。設計設計は誰もが必ず通り、システム知識をつけるフェーズです。早めに経験しておきましょう。プラントや会社コードといったものの体系をどうやって決め、アドオンの概要を作り込むので重要な基盤となるフェーズです。経験がある人に向いているフェーズ(筆者がおすすめするフェーズ)SAPを何年か経験しており、ノウハウが蓄積され始めた方にとっておすすめのフェーズを紹介します。筆者の経験上、「力がついたな」と感じたおすすめフェーズ TOP 3 は下記の通りです。(順位は特になし)要件定義構想策定ユーザートレーニング要件定義ある程度のシステム知識と業務知識がないと、要件定義をこなすのは難しいです。経験があるコンサルタントは要件定義を通じてヒアリングスキルや課題解決能力を身につけましょう。知識不足でなんとなく要件定義を進めることはNG!後続フェーズに関わる人に迷惑かけてしまうことになります。構想策定構想策定フェーズでは、クライアントの最終目的を掴み、プロジェクトの全体像を理解することが求められます。プロジェクト全体の計画と準備を行うため、前述した2つの要素ができていないと、後続で問題が発生してしまいます。他のフェーズを経験したことがあるコンサルタントこそ、構想策定で力を発揮してバリューを出しましょう。構想策定は少人数で進めるため、経験する機会は他のフェーズに比べて少ないです。チャンスがあれば積極的に参画しましょう。ユーザートレーニングこのフェーズでは、ユーザーを巻き込む力が必要です。また、新たなイシューが発覚することがあります(業務面、システム面両方において)。この2つの理由から経験が浅い人には不向きなフェーズであると言えます。ユーザートレーニングが上手くいかないと、プロジェクト稼働が失敗する可能性が高くなります。ユーザートレーニングはプロジェクトのキーフェーズとも言えます。ユーザートレーニングは、あまり目立たない(よく聞かない)フェーズかもしれませんが、上記で説明した通り実は重要なフェーズです。SAP上で業務を実施する方法をユーザーに説明し、実際ユーザーに使ってもらうのですが、この際に新しい課題が発覚したり、ユーザーが中々理解できないまま進んでしまったりする場合があります。このフェーズできちんと課題を潰し、かつユーザーの新システムに対する抵抗感を無くさないと、高確率でプロジェクトが後々炎上してしまったり最悪の場合、頓挫してしまったりします。ユーザーを巻き込む力と臨機応変な課題解決力の両方が求められるフェーズです。この2つの力が短期間で問われる数少ないフェーズですので、是非スキルアップのためにも体験してみましょう。要件定義は、初めてやってみると自分が力不足・知識不足だったことに気付くフェーズだと筆者は考えます。システムと業務の両方をきちんと理解できていないと上手くこなせないフェーズです。逆に、それらの知識を深めるチャンスでもあります。また、要件定義ではクライアントの要望に対応するにはどれくらいかかるかを考えなければいけないので、工数の把握もできるようになります。更に、要件定義ではヒアリングを行います。コンサルタントの基礎中の基礎といっても良い「ヒアリング力」を磨く機会です。どのようにヒアリングを行えばクライアントから十分な情報を引き出せるのか、話題が脱線した時の対応の仕方など、ソフトスキルを身につけましょう。構想策定もおすすめのフェーズです。プロジェクトの最初のフェーズであり、ゼロから何かを作り出すフェーズになります。筆者が初めて構想策定を経験した際、衝撃を受けました。プロジェクトやクライアントによるのかもしれませんが、かなりの主体性が求められたからです。クライアントによっては明確なビジョンや計画性を持っていない場合があり、より良いプロジェクト計画へと誘導する必要があります。そのため、ほわっとした曖昧な状況だとしても「ストーリーを意識した資料作り」や「クライアントが最終的に達成したいことを掴む」ことが必要です。このような挑戦ができるフェーズは構想策定ならではだと筆者は感じます。また、プロジェクトの計画や準備を行うため、プロジェクトの全体像を把握する良い機会です。もちろん、これらに限らずすべてのフェーズは重要ですし、学びがあります!チームリーダーを経験しやすいのはどのフェーズ?チームリーダーの経験を積みたい場合、小さいプロジェクトであれば構想策定以外の全フェーズにおいてリーダーとして活躍できます。構想策定のみ、マネージャー以上のクラスが必要になります。ある程度大規模なプロジェクトとなってくると、難易度は高めになります。開発、テスト、移行、運用保守あたりが初めてでもリーダーとしてやりやすいでしょう。どの順番でフェーズを経験しても、どういうフェーズかをきちんと理解していれば、最終的にはOK!*フリーランスとして独立するのであれば全てのフェーズに関わっておいて経験を積む必要があります。全フェーズ経験しましょう。フェーズの最終目的、求められる知識やスキルを意識しましょう。不足しているものがあれば、埋め合わせる努力をしながら業務を進めましょう。