将来SAPコンサルタントとして独立しようと考えているが、効率よく知見を身に付ける方法がわからない…「とりあえず手っ取り早くSAPの知見を身に付けたい」というのであれば、デモをやってみましょう。デモを実施してみることの利点、ポイントを解説いたします。1. サマリデモ準備をやってみることで、SAPの知見が全般的に身につく実際にクライアントにデモ説明をすることにより、業務理解も深まる2. デモでSAP知見を身に付けるまず、「デモ」とは?「デモ」とはデモンストレーションの略語であり、「実演」を意味します。SAPジャパン公式が説明している通り、デモはソリューション選定において肝となる重要なものです。SAPのようなソフトウェアは形としてモノがあるわけではないので、実際ソフトウェアが使われているところを見ることによってクライアントはその価値を定めることができます。SAPのプロジェクトを勝ち取りたいとなれば、デモを上手くこなしてクライアントを説得することが重要です。何故デモはSAP初心者におすすめなの?SAP初心者の方は、デモに関われる機会が少なくとも1回は訪れるはずです。大抵、より経験値のある先輩コンサルタントやマネージャーの付き添いやサポーターとしてデモをやることが多いかと思います。まだSAPの知見が確かではない場合、たくさんデモをこなして知識を確かなものにしていきましょう。デモをやることによって培われる知見を3つに分けて解説します。マスタデータの理解デモ準備でまず手をつけるのが、マスタデータの準備でしょう。特に初心者の方は、断片的にマスタデータを用意することがあっても、1つの業務フローを流すために必要なマスタデータを横断的に用意する機会は今まで少なかったのではないでしょうか。案外、Order to CashやProcure to Payのように1から最後まで流してみると、自分のマスタデータの不整合の影響でどこかしら詰まってしまいます。そこで原因を特定することにより、マスタデータへの理解を深めましょう。筆者が初めてデモを準備した時、品目の原価積上のところで設定値を誤って何回もやり直した記憶があります。例えば、原材料、製品、半製品などカテゴリによって評価クラスが異なったり同じだったりしますし、standard costing なのか moving average priceなのかも異なります。当時はPPモジュールを担当していましたが、こうしてデモをこなすことによってCOモジュールの基礎的な部分を理解することができました。マスタデータは、SAPの各項目をきちんと理解していないとそもそもSAP上の業務が流せないことが多々あります。時間に少しでも余裕があるのなら、可能であれば予め用意されているものや既に環境に存在していたデータをコピーして使うのではなく、自分で1から作成してみましょう。トランザクションデータの理解デモを流すことによって、今まで自分が触ってこなかったトランザクションデータについて学べます。こうしておくと、自分の担当領域と接点を持つ他領域のプロセスについて一通りおさえることができ、安心です。ここでまた筆者の体験談を挟みます。前述の通り筆者が初心者だった頃はPP領域を任されていたのですが、デモを初めて準備するとき、サブコンのプロセスを流す必要がありました。サブコンのプロセスでは購買領域も挟んでくるため、購買依頼 (PR)や購買発注(PO) などを切って流さなければならず、購買領域の知見者に確認しながら進めました。トランザクションデータを流すにあたって、他の領域とのデータ連携が必要になる場面があります。その際には積極的に他の領域のプロセスについても学びましょう!クライアントとのセッションで聞かれる可能性が大いにあるからです。コンフィグレーションの理解コンフィグレーションは準備の一番最初の段階で触る必要があります。すでに整っているSAP環境があった場合は別ですが、時々サンドボックス環境のような「デモ専用」の環境が用意されます。その時に「どこのコンフィグを触ったらデータが流れるようになるのか」を理解して自分で設定を変えていく必要があります。コンフィグを変える必要がある場面はそうそうないでしょうが、たまに出てくるので注意しましょう。例えば、どこかの有効化のチェックボックスが外れていたり、カレンダーの設定がずれていたりということがあります。コンフィグレーションは数多く存在します。その中にはあまり変更しない方が良い重要なコンフィグや、1つ変えると他の設定に影響を及ぼすコンフィグも存在します。 そのため、必ず知見者に確認してから設定を変えるようにしましょう。 3. デモでクライアントに説明する力を身に付けるSAPのデモと聞いたら、大抵の方はマスタデータの準備などのシステム面のことを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、クライアントとのデモセッションを通じて業務理解も深まりますし、説明する力も身につきます。各スクリーンで「どこが重要なのか」クライアントとのセッション前に、下記について十分考えて準備する必要があります。SAPの各スクリーンで何が重要なのか説明に欠かせない項目やステップ、業務ユーザーが実際入力するフィールド、など各スクリーンでクライアントが疑問に思いそうなポイント何桁まで入力できるのか、必須項目なのか、承認のステップを噛ませられないか、など上記について予想される質問と回答を考えるだけでも、SAPシステムに対する理解が深まります。業務プロセスへの理解が深まるSAP画面をクライアントに見せる際、しばしばどのようなタイミングでその機能を使うのか、誰が使うのか、などといった業務面の質問が来る時があります。デモの段階では、クライアントの細かい業務はまだ明かされていない場合が多いです。しかし、大枠のプロセスフローがインダストリー別に存在するはずなので、必ず業務フローを確認し、基本的な質問は答えられるようにしましょう。実際セッションをやってみると、自分が想定していた業務フローとクライアントの実際の業務フローにある程度差異があることに気づくでしょう。こうした経験を繰り返すことによって、「どの業務ステップが一般的で、どれがクライアント特有のものなのか」といった判断基準が自分の中で生まれるはずです。上記をこなすことにより、業務への理解が深まります。上記で説明した通り、デモは経験すればするほど知識が身に付きますし、クライアントに説明する力も得ることができます。良いこと尽くしなので、機会があれば必ず携わってみましょう!