フリーランスコンサルタントの皆様、確定申告の準備は進んでいますか?この記事では、節税対策に関する記事で触れた「所得控除」について、今回は特にフリーランスコンサルタントが活用できる「物的控除」に焦点を当て、その種類、対象となる条件、そして具体的な控除額を徹底解説します。この記事を読めば、ご自身に適用される所得控除を正確に把握し、賢く節税対策を進めることができるでしょう。確定申告の不安を解消し、手元に残るお金を増やすためにも、ぜひ最後までお読みください。この記事のポイント所得控除を行うことで、所得税額を抑えることができ、納税者の負担を減らすことができる。所得控除は全部で15種類あり、大きく分けて「人的控除」と「物的控除」の2つに分けられる。 主に、「人的控除」は人に基づいて適用される控除で、「物的控除」は支出や損失など"モノ"に基づいた控除である。所得控除とはそもそも「控除」とは、一定の金額を差し引くことを指します。中でも所得控除とは、課税対象となる所得から一定額を差し引くことで、総所得を減らし、結果的に所得にかかる税金を軽減できる制度です。所得控除は大きく「物的控除」と「人的控除」の2種類に分けられます。物的控除は、個人が生活する中で必要となる支出や、やむを得ず発生した損失に対して適用される控除です。一方、人的控除は、本人や家族の状況に応じて控除額が決まる制度です。所得控除について徹底解説(物的控除編)a. 基礎控除まず、最初の所得控除として納税をしているすべての人が対象となる「基礎控除」があります。これは、収入を得ているすべての人が対象となり、納税者の所得に応じた金額が控除されます。2021年度以降、納税者本人の所得金額が2400万円以下の場合、控除額が38万円から48万円に引き上げられました。合計所得金額が2400万円以上の方は控除額が減少しているので注意しましょう。納税者本人の合計所得金額控除額2,400万円以下48万円2,400万円超 2,450万円以下32万円2,450万円超 2,500万円以下16万円2,500万円超0円(参考:国税庁HPNo.1199 基礎控除|国税庁 (nta.go.jp))例えば、納税者本人の合計所得金額が2400万円以下だと48万円が所得から控除され、控除された所得を基にして、所得税額が出されるため、納税者にかかる負担は軽減されます。これまで控除額は一律38万円だったのが、2021年度以降、納税者に応じた控除額となっているので注意が必要です。b. 医療費控除医療費控除とは、納税者本人または本人と生計を共にする配偶者や家族、親族のために、一定の金額以上を支払った医療費に対して適用される控除です。フリーランスコンサルタントの場合、会社員と異なり、健康保険組合からの医療費補助が手薄なケースも少なくありません。そのため、高額な医療費が発生した際には、この控除を積極的に活用することで、税負担を軽減できます。原則として、その年の1月1日~12月31日までに支払った医療費であることが条件です。控除される金額は以下のようになっています。 (実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額)-10万円例外として、その年の総所得が200万円未満の方は、所得金額×5%となります。医療費控除額は最大200万円となっており、控除の対象となるものの例としては、病院の診察費、治療費、処方箋、入院費用や車椅子や松葉づえなどの医療品、通院のための交通費等があげられます。また、2017年から新たにセルフメディケーション税制と呼ばれる医療費控除の特例が設けられました。これは2017年1月1日から2026年12月31日まで納税者本人または本人と生計を共にする配偶者や家族、その他親族のために特定の一般用医療品等を購入した場合に行われる措置です。詳しくは以下の国税庁のホームページをご覧ください。No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁 (nta.go.jp)c. 社会保険料控除社会保険料控除は納税者本人やその家族、その他親族の健康保険や国民年金など、いわゆる社会保険料を支払った場合、適用される控除です。その年に支払った金額の全額を控除できます。フリーランスコンサルタントの場合、国民健康保険や国民年金保険料を全額自己負担しているため、これらの支払いは全額所得控除の対象となります。忘れずに申告することで、大きな節税効果が期待できます。社会保険料の対象になる保険料を例に挙げると、国民年金、健康保険、厚生年金、介護保険や国民健康保険などです。下記に、国税庁のホームページを参考に社会保険料の対象となるものに関して、詳細に記載しておきますので、確定申告時にでも是非ご一読ください。社会保険料の範囲健康保険、国民年金、厚生年金保険および船員保険の保険料で被保険者として負担するもの国民健康保険の保険料または国民健康保険税高齢者の医療の確保に関する法律の規定による保険料介護保険法の規定による介護保険料雇用保険の被保険者として負担する労働保険料国民年金基金の加入員として負担する掛金独立行政法人農業者年金基金法の規定により被保険者として負担する農業者年金の保険料存続厚生年金基金の加入員として負担する掛金国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、恩給法等の規定による掛金または納金等労働者災害補償保険の特別加入者の規定により負担する保険料 ほか(参考:国税庁HPNo.1130 社会保険料控除|国税庁 (nta.go.jp))d. 小規模共済等掛金控除小規模企業共済等掛金控除とは、納税者本人が小規模企業共済法が規定する小規模企業共済等の掛金の支払いをしている場合に適用される控除です。その年に支払った掛金の金額すべてが控除額の対象となっています。e. 生命保険料控除生命保険料控除とは、納税者本人が生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料などの支払いをした場合に適用される控除です。生命保険と締結した時期、つまり、平成24年1月1日以降に締結した保険契約(新契約)と、平成23年12月31日以前に締結した保険契約(旧契約)では、控除額の計算方法が異なっています。平成24年1月1日以降に締結した保険契約(新契約)の場合年間の支払保険料等控除額20,000円以下支払保険料等の全額20,000円超 40,000円以下支払保険料等 × 1/2 + 10,000円40,000円超 80,000円以下支払保険料等 × 1/4 + 20,000円80,000円超一律40,000円平成23年12月31日以前に締結した保険契約(旧契約)の場合年間の支払保険料等控除額25,000円以下支払保険料等の全額25,000円超 50,000円以下支払保険料等 × 1/2 + 12,500円50,000円超 100,000円以下支払保険料等 × 1/4 + 25,000円100,000円超一律50,000円(参考:国税庁HP:No.1140 生命保険料控除|国税庁 (nta.go.jp))控除額の最大は12万円となっており、金額が12万円を超える生命保険料の場合でも控除額は12万円となります。なお、保険期間が5年未満の生命保険などの中には、控除の対象とならないものもありますのでご注意が必要です。f. 地震保険料控除地震保険料控除とは、納税者本人が地震や津波による被害に備えて加入する地震保険の保険料を支払った場合に、一定の所得控除を受ける対象となります。年間に支払った地震保険料にもよりますが、最大50,000円まで控除額が受けられます。g. 寄付金控除寄附金控除とは、納税者本人が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して寄附をした場合に受けられる控除です。ふるさと納税も、寄附金控除の対象となっています。寄附金控除は、「その年に支出した特定寄附金の金額」と「その年の総所得金額等40%相当額」のうち、いずれか低い金額から2,000円を差し引いた額が控除額となります。寄附金控除を受けるためには、寄附金の受領書などを確定申告書に添付して提出する必要があります。フリーコンサルの節税対策とその注意点について徹底解説! |フリーコンサルが読むメディア|media.quickflow最後に基礎控除をはじめ、納税者本人やその家族が対象となり、必ず所得控除が適用されるケースも存在します。フリーランスコンサルタントの方は、日常生活の中で「これは所得控除の対象になりそうだ」と意識しておくことが大切です。実際に該当する支出があった場合は、領収書などをその都度保管しておくことで、確定申告の際も慌てることなく、スムーズに所得控除を受けられるようになるでしょう。